先日久々にソロキャンプに出かけたところ、無性にかっこいい火バサミがほしいという欲が沸いてきました。
今私が使っているのは、もうどこで買ったかもわからない代物。たぶん100均で適当に買ったものです。
こだわりがなさすぎるのもこだわりが強すぎるのもかっこ悪いと感じる私ですが、ピンとこないと妥協しては買えない…。そんな感じで、キャンプ歴は10年をゆうに超えているのにいまだに100均火バサミから脱却できずにいました。
ところが久しぶりに成形された薪ではなく現地で拾った薪で焚き火をしたところ、100均火バサミとのミスマッチがとっても気になる…。せっかく雰囲気のある焚き火なのに火バサミのせいで軽薄になるような。
しかし、改めて「火バサミ」「薪バサミ」「薪トング」とキーワードを変えてリサーチしてもやはりピンとくるものは見つかりません。これは自作しろということか。
わかった、やってやんよと立ち上がり、自作しました。思いの外簡単にいい感じのものができたので、ぜひ参考にしてくださいね!
私が薪バサミに求めていること
既製品の何がピンと来ていないのか考えてみました。
主に以下の点なのかなと思っています。
- シンプルに高い
- デカい
- たかが薪バサミなのに仕様がたいそうすぎる
かっこいいかも、と思うものはたいがい5,000円以上はします。そしてデカい。
少し前まではニッチなギアにこそこだわるのがかっこいいという気持ちもあったのですが、今はそこまでたいそうなものではない、さらっと気軽に使えるもののほうがかっこいいのではという思考になっています。
ソロキャンプがメインだし、もっとひょいっと持っていけるものがいい。
でも、そうなると安っぽいなと感じるものも。はっきりと何が気に食わないのかは自分でも分かりかねますが、すべてがガチっとハマるものがなく、購入するに至りませんでした。
だから私は「安くてコンパクトだけど、なんだか雰囲気のある火バサミ」を目指してDIYに取り掛かりました。
オリジナル薪バサミを作るために準備するもの
さぁ作っていきましょう。
世界でひとつのオリジナル火バサミを作るために私が準備したものは以下のとおりです。
ただし、事情が変わりました。今回は自分のためではなく、転職に伴い、遠くに引っ越してしまう友人に餞別として贈ることにします。さらっと渡したいけど、新たな地でもがんばれという気持ちもちゃんと込めたい。お金をかけるのではなく、手間暇をかけて「こんなん作っちゃったぜ」と戯けて渡すのがちょうどいいと思ったのです。
オリジナル火バサミを作るために用意したもの
- 練炭バサミ
- 100均(セリア)園芸用スコップ
- 100均(セリア)金鋸
- コーキングシール
ボンドやコーキングシールなどもイチからそろえようとするともう少しかかりますが、火バサミ本体に使う練炭バサミとスコップはほぼワンコインで購入できます。
練炭バサミはこんな感じ。Amazonでも売られていますが、楽天の方が種類豊富なイメージです。持ち手の形や素材によっても雰囲気が変わるので、予算に余裕がある場合はこだわって選んでもいいかも。
金鋸は今後そこまで使う機会がないと思ったので、一旦セリアのもので済ませました。Amazonや楽天などのECサイトでも数百円で買えるものが売られていましたよ。
火バサミを自作された人のブログを拝見すると「ヤスリ柄」として販売されているものを使われている方が多くいらっしゃいました。私が使った100均スコップのように分解の手間もないし、いいかもしれませんね。ほかにも持ち手部分に使えそうなものがないかホームセンターや100均などを探してみるのも楽しそうです。
練炭バサミと持ち手を接合し、隙間を埋めるのにコーキングテープを使いました。何かと使うことがあるので便利ですよ。私はこのほかにヒューナスドルフのタンクに注ぎ口をつける時にも使いました。
結構簡単!オリジナル火バサミの制作手順
さて、取り掛かっていきましょう。
結構簡単にできます。100均火バサミで燻っているそこのあなたにもぜひ作ってみてほしいです!
世界にひとつのオリジナル火バサミの制作手順
- 練炭バサミの持ち手部分をカット
- スコップを分解し、柄に穴をあける
- 練炭バサミに黒サビ加工を施す(できる場合)
- 練炭バサミに焼きを入れる(黒サビ加工できない場合)
- 練炭バサミをサンドペーパーで磨き、柄と接合
ちなみに制作風景を動画にしてYouTubeにもアップしました。
よろしければご覧ください。
①練炭バサミの持ち手部分をカット
まずは練炭バサミの持ち手部分の片側を写真のように金鋸でカットしましょう。直線から曲線に変わる部分から切り落とし、柄にスムーズに差し込めるように加工します。
セリアの金鋸でも5分ほどはかかりましたが、逆を言えば5分しかかからずちゃんとまっすぐにカットできました。背に腹はかえられません。使用頻度が少ない場合はこれで十分でしょう!
②スコップを分解し、柄に穴を開ける
塗装をせずともいい感じの色合いのスコップがセリアに売っていたのでこれにしました。ただ、どうやって柄とスコップを外せばよいかわからず、とりあえず接続部をトンカチで叩いてみましたが効果なし。結局力任せにねじったらポンと抜けました。
元から穴は空いていますが、やや浅めで柄を差し込んだときの位置が今ひとつだと感じたので、電動ドリルでもう少し深く掘りました。割り箸などを差し込んで、どれくらいの深さの穴を掘ればいいかシミュレーションするのがおすすめです。浅すぎると練炭バサミの切断していない側に比べて柄が長くなり、チグハグな印象になってしまいます。
穴のあいていない木材から柄を作ることもできますが、DIY初心者の場合は穴をあけるときに割ってしまうこともあると思うので、はじめから穴があいているものを使うのがよさそうです。
③-1練炭バサミに黒サビ加工を施す(今回はうまくいきませんでしたが…)
マットな雰囲気に仕上げたかったので、黒サビ加工にチャレンジします。赤錆などを防止する効果もあり、見た目もかっこよくなりますよ。
私は以下の分量で浸ける液を作り、丸1日以上浸けましたがうまくいきませんでした。黒サビ加工は炭素鋼のものにしかできないようで、おそらく私が使った練炭バサミはステンレス製だったからなのだと思われます。また別のアイテムを自作するときに試してみようと思います。
実際に使った黒サビ加工液は以下のとおりです。
黒サビ加工液(うまくいかなかったですが…)
- 酢…50mL
- お湯…200mL
- 紅茶ティーバッグ…2袋
- 紅茶をしっかり煮出す
- 酢を入れて混ぜ合わせる
③-2練炭バサミに焼きを入れる
黒サビ加工がうまくいけば必ずしも必要ない工程だと思います。
私は黒サビ加工がうまくいかなかったので、どうしようと悩み、防火の塗料を塗ろうかとも考えましたが、そんなにお金をかけるのはどうかと思い、シンプルに焼きを入れることにしました。
焚き火をおこして放り込んでいたら、なかなかいい感じに仕上がりましたよ。
ついでにシャウエッセンを焼き、焼き鳥を焼きました。楽しい!おいしい!最高!
④練炭バサミをサンドペーパーで磨き、柄と接合
練炭バサミが冷めたら、サンドペーパーで軽く磨きます。今回は1000番のペーパーで磨きました。なかなかマットでいい感じに仕上がりましたねぇ。
練炭バサミにコーキングテープを薄く巻き付けて、柄に捻り込みます。ボンドがなかったので、この方法を採用しましたが、なかなかうまくいきましたよ。普通に使っていたら外れることはなく、何か加工を施したいときは力を入れてひねれば抜けます。穴からはみだした分は手でプチプチとちぎりました。
完成
完成しました。どうでしょう?悪くないですよね?
なかなか渋くないですか?本体材料だけでいうと500円〜1,000円程度でできるので、なかなかアリだと思います。焼きが効いていて、その値段で作ったとは思えない渋みを放っていますよ。作る時間がないという人もいるかもですが、たいそうな工具もいらないので、なんならキャンプに行ったときにその場で作るのもいいんじゃないでしょうか?
重さは150g。
そして長さはiPhoneSE2台分ほどです。既製品はかっこいいけど、ちょっとゴツいな…という私にぴったりのミニマムな火バサミに仕上がりました。大きな薪などを挟むのは難しいですが、それは手で投入するとして、小さな薪をいじいじするのにぴったりです。
愛着が沸いたところでこれは友人へのプレゼントだと思い出しました…。さみしいけど自分の分は改めてまた作りましょう。さぁ行ってこい!友人も喜んでくれました!
買うとしたらこれと悩んだ!ヴェントラクス 焚火トング VENTLAX TAKIBI TONGS
すでに工具などを持っている場合は、自作にチャレンジしてみてほしいですが、工具をイチからそろえる場合は、あまり使わないなら元を取れないかもしれません。
私がもし既製品を買うなら、「ヴェントラクス 焚火トング VENTLAX TAKIBI TONGS」ですかね。とにかくかっこいい!でもやはり今回作った火バサミの3倍くらいの重さがあるし、自作よりも高くはなるので、私は今は自作の火バサミでいいかな。もっと仕事に余裕ができて、キャンプの頻度が増えたら買いたいな。
火バサミはオリジナルキャンプギア入門にぴったり!
今回の火バサミは工程も難しくなく、リーズナブルにかっこいいものができました。もちろん安く買える既製品もありますし、とんでもなくかっこいいモデルも販売されています。それでも自作したキャンプギアはとてもかわいく、自分好みに仕上げられ点が魅力。既製品に使い勝手や開閉のなめらかさなんかが及ばなくても、そんなところも愛せると思うのです。
ぜひ難しいと思わず、とりあえず挑戦してみてください!失敗したってかかる費用はしれてます!
この次は火吹き棒や焚火台も作りたいと考えているので、楽しみにしていてくださいね!あっ、自分の分の火バサミ作らないと…。