今や男性的・女性的という切り口で何かを語るのは危ういですが、年齢を重ねるにつれ、おじさんではなくおばさんに寄って行っている気がします。33歳では甘酒と梅干しを仕込み、34歳ではらっきょうを漬け、ついに味噌作りにも手を出しました。そして今編み物をはじめたいという気持ちを必死に押さえつけている状況です。
38歳でかっこよさのピークを迎えたいと思っている私ですが、この調子で進んでいって大丈夫なのでしょうか。まぁ人間、さまざまな側面があるほうが味わい深いもの。このおばさん側面が正面にならぬよう気をつけながらも本能のままにやりたいことをやっていきたいところです。
さて、この記事でははじめての味噌作りにチャレンジした一部始終をご紹介します。失敗か成功かわかるのは半年以上先なので、「このとおり作ってくださればOK」とは言い切れませんが、現時点で「作るのが楽しい」ことは伝えたい。毎年作り続けて、自信を持っておすすめできる作り方や注意点などをまとめていけたらと思っています。
味噌作りに準備するもの

まずは今回味噌作りにあたって準備したものをご紹介します。はじめての味噌作りだったので、こちらの本を参考にさせてもらいました。シンプルでわかりやすく、黒豆や紅麹などほかの材料を使った味噌作りも紹介されているので、今後も参考にしたいと思っています。

味噌の作り方も多種多様。ネット上でもさまざまな作り方が紹介されています。より手軽に作れる方法もあるようですが、はじめてなので基本的な作り方を選びました。ジップロックやタッパーを使って少量を作る方法もあるようですね。

材料・道具一式をそろえるのに全部で5,000円ほどかかりました!
2年目以降は材料費約3,000円というところでしょうか。
材料は大豆・麹・塩の3つだけ


まずは味噌作りに必要な材料をご紹介します。必要なものは3つだけ!



すべてAmazonで買えました!
来年は500gずつ何回かに分けて複数種類作りたいと考えています。これも一度作ってみたからこその気づきですね。はじめからうまくいかなくてもOK!
大豆は「鶴の子」という品種をチョイス


まずは大豆。大豆がないと味噌作りははじまりません。
どれを選べばいいかまったくわからなかったので、「みその本」で勧められていた「鶴の子」という品種を探しました。はじめてなので、従順にいきましょう。



伝わらないかもですが、ピチッと密封されていて超かわいいです!
硬い感触もたまらん!


私が多用しているポケマルでも味噌作りにぴったりという大豆が販売されていました。今回うまく作れれば、来年試してみます!以前購入したらっきょうが届いたとき、最高のプレゼントをもらったようなしあわせな気持ちになりました。


麹は普段甘酒作りに使っている「みやここうじ」


麹は普段から甘酒作りなどに愛用している「みやここうじ」を使いました。大豆と同量を準備します。今回は1kgの大豆を使うので、1kg購入しました。



値段が高すぎず買いやすいので、愛用しています!
はじめての場合、失敗することもあると思います。もちろんせっかくだからいいものを使いたいという気持ちもわかりますが、失敗してもショックが小さい高価すぎない商品を使うのがおすすめ。失敗しない作り方を確立できたら材料を変えて色々試すつもりです。
甘酒も簡単に作れるので、ぜひ日常生活に取り入れてみてくださいね!


塩はちょっと背伸び。「海の精」を使用


塩には主に精製塩と天然塩がありますが、塩麹を作る際なども基本的に「天然塩」を選んでいます。
- 精製塩:シャープな塩味
- 天然塩:ミネラル豊富で甘み・旨みが感じられる
精製塩のほうが安価に購入できる傾向にありますが、私が目指す味噌のイメージは「しょっぱいだけでなくやさしい甘さがある」もの。複数種類作る場合は精製塩版も作ってみたいところですが、1つに絞るなら天然塩一択でした。ちょっと高いですけどね…。



塩の違いがわかるイケおじになりたい!
道具をそろえよう!昔ながらの容器がいい感じ
続けて道具類をご紹介します。必要なものは以下のとおりです。手軽に作りたい場合はタッパーやジップロックに仕込む方法もあるようです。
- 味噌を仕込むための容器
- 押し蓋
- 重石
- スケール
- マッシャー
- ポリ袋
- 消毒液
- ラップ
- クラフト紙
- 紐



家にあるかと思いますが、以下も必要!
1kgの大豆を仕込む場合、かなり大きな鍋が必要になるので注意が必要です。
- 大豆を茹でる用の鍋
- 麹と塩を混ぜ合わせるためのボウルや鍋
- 大豆の茹で汁を移し替えておくボウルや鍋
- 大豆の水を切るためのザル
- おたま
味噌を仕込むための容器


まず、味噌を仕込むための容器が必要です。
おしゃれさ重視なら琺瑯の容器がいいなと思ったのですが、味噌作りは気取らなくったっていいかなと。軽くて取り回しやすい昔ながらのプラスチック製容器に決めました。





味噌の分量としては大豆1kg、麹1kg、塩約400gの2.4kgくらいしかありませんが、重石をのせることも考慮する必要があります。
味噌から蓋までの距離をしっかり確保できる8〜10Lのモデルがおすすめです。
押し蓋


味噌を仕込む際は重石をのせます。ただし、重石を直接のせてしまうと縁部分まで均一に重さがかからないおそれがあるので、味噌に重さが均一にかかるように押し蓋をしましょう。今回は押し蓋がセットになった容器を購入しました。
重石


重石を購入しようと思いましたが、調べてみると1,000円以上しました…。重いだけでそんなにするなんて…。重いほど価値が高まるなら、私はかなりの資産です。
何かで代用できないかなと考え、塩で代用することにしました。ザワークラウトなどを仕込む際はポリ袋に水を入れて重石にする「落とし袋」をすることがありますが、味噌は仕込んでから半年以上蓋を開きません。半年以上水を入れておくのはなんだか不安ですよね…。塩なら重石にしていたものを来年の塩作りに流用する、というサイクルも回せていいかなと。





大きめのポリ袋などに移し替えれば、味噌表面にぴたっと馴染むので押し蓋なしでもいけそうです!


スケール


普段の料理は目分量でもOKですが、調味料系を仕込む場合はしっかり材料の分量を計る必要があります。安いものでもいいので、クッキングスケールを1つ持っておくと便利です。



計れる重さに上限があるので用途に合ったものを選びましょう!


マッシャー


大豆を潰す際にはマッシャーがあると便利。手でも潰せますが、やはり潰すことに特化したアイテムを使うと素早く潰せます。
1つ持っておくと何かと料理にも使えるので、この機会に手に入れてみてもいいかもしれません。



私は家にあったものを適当に使いましたが、たわみにくいしっかりしたものがおすすめです!


ポリ袋


容器に直接仕込んでもいいのかもしれませんが、のちの掃除のことも考えてポリ袋を被せてその上に仕込むことに。なんでもいいかなと思いつつ、失敗したくないので、本で紹介されていた漬物用の厚手ポリ袋を選びました。



ポリ袋だけを買うと送料が高くついてしまいます。面倒でなければホームセンターなどで買うほうがいいかと!


消毒液


発酵調味料などを作る際はとにかく雑菌の侵入を防ぐのが大切。味噌作りでも仕込みに使う道具すべてをこの「パストリーゼ」を使って殺菌しました。食品の消毒などにも使える商品なので、安心ですよね。めちゃくちゃ愛用しています。



携帯用のミニサイズはキャンプでも重宝しています!


ラップ


ラップはすでに家にあるかと思います。味噌を容器に仕込んだあと、表面を覆うために使います。
クラフト紙・ひも


容器の蓋をしたあと、ほこりや虫が侵入するのを防ぐために使います。私は麻紐はキャンプ用に、クラフト紙は不用品販売の際の緩衝材として持っていました。



蓋を覆えるのであればなんでもいいかと。(通気性が悪くなるものはNG)新聞紙とビニール紐とかでいいと思います!
いよいよ仕込み開始!ときめくタイミング多数
いよいよ仕込みです。
- 1日目:容器の天日干し・大豆の浸水などの下準備
- 2日目:仕込み
大豆の浸水に丸1日要するので、そのことも考慮して仕込みスケジュールを考えてくださいね。浸水中も数時間に一度水を足す必要があるので、味噌作りは2日間家に居られるタイミングで行いましょう。



表情を変える大豆にうっとり。やってよかった!
1日目:容器を洗って天日干し
まずは容器を清潔な状態にしておきます。蓋や押し蓋なども含めて洗剤でよく洗い、天日干し。ボウルやマッシャーなど使用するアイテムはすべて同じように洗って干しておくのがおすすめです。私は別日に行いましたが、大豆を浸水する日と同日に行えばOKです。
結局容器にはポリ袋を被せるので味噌が直接容器に触れることはありませんが、清潔にしておくに越した事はありません。



発酵系の一番の敵は雑菌!特に味噌は仕込んだあと次に蓋を開くのは半年先…失敗したときの失望がデカすぎるので、念入りに対策するのが吉です。
2日目:大豆の下準備
2日目。いよいよ本格的に味噌作りに取り掛かっていきます。
大豆を洗う


まずは大豆を洗います。大きめのボウルや鍋に大豆を入れ、流水にさらしながら濁りがなくなるまで手でやさしく洗いましょう。洗い終わったらザルに移し、水を切ります。



はじめてこの量の大豆を触りましたが、コロコロしていてキュート!胸がときめきます!
大豆を水に浸す


大きめの鍋に大豆の水気を切って入れ、大豆の3倍を目安に、新しい水を加えてください。



大豆の頭が水から出ないように!
水を吸ってどんどん大豆が大きくなるので、サイズに余裕のある鍋を選ばないと溢れてしまいます…


はじめは丸くてしわしわの大豆が、どんどん見知った細長の形に戻っていくさまが愛しい…。らっきょうや梅干しを作る際も感じましたが、「仕込み」でしか得られない特有の喜びがあります。
数時間で戻るのかなと思っていましたが、全大豆の皮がピンと張るまでには結局24時間、丸一日かかりました。途中大豆が水を吸って水かさが減るので、随時水を足してください。



翌日何時から味噌仕込みをやりたいかも考慮して、浸水をはじめる時間を決めてください!翌日9時から仕込みたいなら9時から浸水!
3日目:いよいよ本格的に仕込む
大豆を3〜4時間煮る


浸していた水ごと火にかけます。煮立ってきたら火を弱めてください。


煮るにつれてふわふわした白いアクがじゃんじゃん出てくるので、都度取り除きましょう。それを繰り返し、大豆がやわらかくなるまでだいたい3〜4時間煮ていきます。(圧力鍋を使うと30分ほどでできるようです。私は持ってません)
焦げつき、吹きこぼれに気を使いすぎて弱火にしすぎると時間がかかるので、いい火加減を探ってみてください。



鍋選び失敗しました…。


茹ではじめる前ですでにギリギリの水かさだったので、茹でていくうちにがっつり吹きこぼれました…。また、水を足したり、かき混ぜたりするのも難しいので、鍋底の焦げ付きも気になってしまいます。ぜひ無理なく鍋を2つに分けてください。


塩切り麹を作る


塩と麹を混ぜ合わせて塩切り麹を作ります。まんべんなく混ぜ合わせるためには手で混ぜ合わせるのがおすすめです。塩や麹が固まっている箇所があれば手で擦り合わせてボロボロとほぐし混ぜましょう。



手をしっかり洗うか、ビニール手袋をつけて行いましょう!
麹と塩にしっとりと一体感が出て、握ると塊になる状態を目安に混ぜてください。


これもまた麹1kgと塩400gを混ぜ合わせるので、家で一番大きなボウルでも小さくて混ぜにくかった…。大きなボウルがない場合は2つに分けるか、作る量を半量にするのがいいと思います。
ちなみに私が使用したボウルはこれ。このサイズで麹1kgと塩400gをギリギリ混ぜ合わせられる感じです。でもかなりきつい…でも普段なかなかこれ以上のサイズを使う機会はない…。
大豆をなめらかなペースト状になるまで潰す


茹で上がった大豆を熱いうちにマッシュします。冷めると粘りが出て潰しにくくなります。
- 茹で上がった大豆をボウルに移してマッシュ
- 茹で汁をボウルに移して、鍋の中でマッシュ
茹で汁はご馳走になるので捨てないで!
まずはそのまま飲んでみてください。一口目は青臭いと思うかもですが、飲み進めるとどんどんおいしく感じるはずです!


さらにこの大豆の茹で汁を今回は「スープスパ」にアレンジしました。ちょっとうますぎかも…。
- パスタ 100g
- 大豆の茹で汁・水 合わせて600mLほど(私は茹で汁500mL・水100mLで作りました)
- 塩 小さじ1.5
- お好みの野菜(今回は白菜を使用)やハムなど
- オリーブオイル 適量


大豆と塩切り麹を混ぜ合わせて丸める


大豆を人肌程度に冷ましてから塩切り麹と大豆を混ぜ合わせます。手で混ぜ合わせるのがおすすめ。ムラなく混ぜ合わせてください。



冷ますのは重要なポイントかと思うのですが、参考にした本には冷ます工程が書かれておらず、うっかり熱いまま混ぜてしまった…。ちゃんと出来上がるか不安です…。
麹は熱に弱い!熱いまま混ぜてしまうと麹菌が死に、しっかり発酵しないおそれがあります!


しっかり混ぜ合わさったら直径5cmほどの大きさの団子に成形しましょう。(写真取り漏れてた…)
容器に味噌を詰める
雑菌の侵入を徹底的にカットするためによく洗い、天日干しした容器にさらにパストリーゼを吹きかけてキッチンペーパーで拭きます。その上からポリ袋を被せて、団子にした大豆を叩きつけるように投げ入れましょう。



これはなかなかはじめての体験ですね!楽しい!


まずは容器の外周部に投げつけ、隙間ができないようにこぶしで押しつけて平たく均していきましょう。均し終わったら表面に薄く塩を振り、ラップをぴたっと張りつけます。外周部は気持ち多めに塩を振っておくのがおすすめです。
押し蓋を置いて重石をのせます。大豆1kg分の味噌を仕込む場合はその1.5倍の1.5kgの重石を置くと本に書かれていたので、1.5kg分の塩を置きました。重石の重さによっても仕上がった味噌の硬さが変わるようなので、今年の仕上がりを見て調整してみようと思います。
蓋をして冷暗所で半年以上熟成


クラフト紙で蓋を包み、麻紐で縛りました。表面に仕込んだ時期を書けば、一気に愛着が湧いてきます!麹を大豆が熱い状態で混ぜ込んでしまったのが気がかりですが、楽しみですねぇ。9月に入った頃に開けてみようかな。